10〜15年前は、食物アレルギー診療がまさに過渡期であり混沌とした時代でした。
一方で、「少しずつ食べる」「食べて治す」「アレルギーは皮膚から始まる」といった、将来を見据えた新しい考え方が芽生え始めた時期でもあります。
しかしその裏側では、誤食や検査・治療に伴うアナフィラキシー事故が相次ぎ、「怖い」「危ない」というイメージがなかなか払拭できないという現実もありました。
この時代の見え方は、 患者さん・保護者、教職員、医療者など、それぞれの立場によって大きく異なっていたのかもしれません。 もしかしたら、アレルギー専門医でさえも、新しい情報の受け止め方や踏み込み方には“個々人の見解の違い”があったのだと思います。そのため、対応や判断にも少し幅が出ていた時期でした。
希望と不安が入り混じる中で、誰もが手探りで向き合っていた時代だったのです。