昔の食物アレルギー治療は“完全除去”が基本でした
20〜30年前、食物アレルギー治療の中心はただ一つ。
「原因食物を完全に避ける」という方針だったのです。
当時は、「少しでも食べると危険」「中途半端な食べ方をすると治りが遅くなる」「食べ物の摂取で皮膚状態が悪化する」といった考え方が広く信じられていました。
そのため母親たちは、 加工品の原材料を一つひとつ確認し、給食を細かく調整し、外食も控え、日常生活の多くを“除去中心”に組み立てざるを得ない状況でした。 日々“食べさせない工夫”を続けていたということです。
しかし時が経つにつれ、「本当にすべての子どもに完全除去を続ける必要があるのだろうか」
と、一部のアレルギー専門医の間で疑問が生まれ始めました。
その小さな問いが、 後の診療の大きな変化につながっていきます。