アトピー性皮膚炎について

繰り返すかゆみと
未来に寄り添うアトピー診療
アトピー性皮膚炎は、強いかゆみと湿疹を繰り返す慢性的な皮膚の病気です。見た目が落ち着いても炎症が残っていることがあり、適切な管理が重要になります。当院では、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医の資格を持つ医師による、その場しのぎではない診療を行い、かゆみが出にくく再燃しにくい皮膚状態を目指し、乳児期から成人期まで、成長に合わせて対応します。将来の経過も見据え、ご家族とともに丁寧に支えていきます。
このような症状はご相談ください
- かゆみのある湿疹を繰り返す
- ひじやひざの内側がかゆい
- 夜になるとかゆみが強くなる
- 首や顔に湿疹が続いている
- 皮膚が赤くなりジュクジュクする
- かき壊して傷ができている
- 肌が乾燥し粉をふいたようになる
- 市販薬でなかなか改善しない
当院のアトピー性皮膚炎治療

デュピクセント(デュピルマブ)や
ミチーガ(ネモリズマブ)による
全身療法という選択肢
外用治療を丁寧に行っていても改善が不十分な場合、デュピクセント(デュピルマブ)やミチーガ(ネモリズマブ)による全身療法を検討します。いずれも、かゆみや湿疹の軽減を目指す治療です。お子さんにも使用できる治療がありますが、全てのかたに適応となるわけではありません。当院では、日本アレルギー学会認定アレルギー専門医の資格を持つ医師が経過を踏まえ、慎重に判断いたします。
デュピクセント(デュピルマブ)
デュピクセント(デュピルマブ)は、アトピー性皮膚炎の炎症に関わる特定の物質の働きを抑える生物学的製剤で、これまでの外用治療で十分な効果が得られない中等症から重症のかたに対して使用します。定期的な皮下注射により炎症をコントロールし、かゆみや湿疹の軽減を目指します。治療効果や副作用の可能性には個人差があるため、診察と経過観察を行いながら慎重に進めていきます。
ミチーガ(ネモリズマブ)
ミチーガ(ネモリズマブ)は、アトピー性皮膚炎に伴うかゆみに関わる物質の働きを抑える生物学的製剤です。既存治療で十分な効果が得られないかたに使用され、定期的な皮下注射により、かゆみの軽減を目指します。6歳以上のお子さんにも使用でき、年齢に応じた用量で治療を行います。治療効果や副作用のあらわれ方には個人差があるため、診察と経過観察を行いながら慎重に進めていきます。

一人ひとりに塗り薬の使い方を
丁寧にお伝えします
アトピー性皮膚炎の治療では、薬の種類だけでなく、どこに・どれくらいの量を・いつまで・どのように塗るのかが重要です。京都市上京区にある当院では、「なんとなく塗る」治療にならないよう、具体的でわかりやすい外用指導を行います。症状の程度や部位に応じた使い分けをお伝えして、再燃しにくい皮膚状態を目指します。

赤ちゃんから青年期まで支える
アトピー診療
アトピー性皮膚炎は、乳児期に始まり、学童期や思春期、青年期へと症状のあらわれ方が変化することがあります。当院では、患者さん一人ひとりの年齢や生活環境に応じた治療と説明を行い、小さなお子さんの場合は、ご家族のかたに管理方法を説明・確認し、思春期以降のかたにはご本人の理解を深めながら治療を進めます。患者さん一人ひとりの成長段階に合わせて、長期的な視点で支えていきますので、お気軽にご相談ください。
治療方法

ステロイド外用薬
炎症や赤み、かゆみを抑える基本となる塗り薬です。症状の強さや部位に応じて使用します。適切な量と期間を守って使用することで、安全に炎症をコントロールすることができます。

PDE4阻害薬(モイゼルト®軟膏)
モイゼルト軟膏は、アトピー性皮膚炎の炎症を抑えるために使用される非ステロイドの外用薬です。ステロイドとは異なる仕組みで炎症に関わる反応を抑えます。

タクロリムス軟膏 (プロトピック)
免疫の働きを調整することで炎症を抑える非ステロイドの外用薬です。顔や首など皮膚の薄い部位にも使用でき、アトピー性皮膚炎の治療で広く用いられています。症状が落ち着いた後の維持治療として使用されることもあります。

JAK阻害薬外用剤(コレクチム)
炎症に関わるJAKという酵素の働きを抑えることで、皮膚の炎症やかゆみを改善する外用薬です。ステロイドとは異なる作用で症状を抑えます。皮膚の状態や炎症の程度に応じて、ほかの外用薬と使い分けながら治療に用いられます。

保湿剤
皮膚のバリア機能を保つための基本となる治療です。乾燥を防ぎ、炎症やかゆみの悪化を予防します。症状が落ち着いている時期も継続することが大切です。
市販薬の選び方についても
ご相談ください
症状の程度によっては、市販薬で対応できる場合もあります。しかし、自己判断で使用を続けることで症状が長引くこともあります。当院では、患者さんの症状や皮膚の状態を確認したうえで、市販薬の選び方や使い方についてもご説明しています。必要に応じて、適した市販薬のご紹介も行っています。
アトピー性皮膚炎の合併症

皮膚と目にも影響する
アトピー性皮膚炎の合併症
アトピー性皮膚炎は、皮膚のかゆみや湿疹だけでなく、さまざまな合併症を伴うことがあります。皮膚のバリア機能が低下すると細菌やウイルスによる感染症を起こしやすくなり、目の周囲の炎症からさまざまな合併症につながることもあります。こうした合併症を早期に発見して、適切に対応することが、長期的な管理において重要です。当院では、皮膚だけでなく全身の状態にも目を向けながら診療を行います。
主な合併症の種類
皮膚感染症
カポジ水痘様発疹症
アトピー性皮膚炎のあるかたがヘルペスウイルスに感染し、発熱や痛みを伴う水ぶくれが広がる感染症です。急速に悪化することがあり、早期の診断と抗ウイルス薬による治療が重要です。
みずいぼ(伝染性軟属腫)
ウイルス感染により、小さな光沢のあるぶつぶつが皮膚にあらわれます。アトピー性皮膚炎があると広がりやすい傾向があります。自然に治ることもありますが、症状や数に応じた適切な治療をすることが大切です。
とびひ(伝染性膿痂疹)
かき壊した部位に細菌が感染し、水ぶくれやかさぶたが広がる皮膚感染症です。接触により周囲へ広がることがあります。早めに抗菌薬で治療し、皮膚の炎症を適切に管理することが大切です。
眼合併症
白内障
アトピー性皮膚炎のかたにみられることがある目の合併症で、目の中の水晶体が濁り、かすみやまぶしさを感じることがあります。長期間の炎症や強いかゆみによる刺激が関係すると考えられています。視力の変化に気づいた場合は、早めの受診が重要です。
網膜剥離
目の奥にある網膜がはがれる状態で、視野の一部が欠ける、光が走るように見えるといった症状があらわれることがあります。アトピー性皮膚炎では強く目をこする習慣が関係することがあります。急な視力の変化がある場合は、速やかな受診が必要です。
目の症状に備えた定期的な眼科受診
アトピー性皮膚炎では、目のまわりの炎症や強いかゆみにより、白内障や網膜剥離などの眼合併症がみられることがあります。早期発見と適切な対応のためには、定期的に眼科で検査を受けることが大切です。当院では、症状や経過に応じて眼科受診をご案内しています。必要に応じて、連携している眼科医をご紹介し、安心して治療を受けていただけるようサポートしています。
日常的な管理
食べ物
アトピー性皮膚炎では、必ずしも食べ物が原因とは限りません。子どもの食べ物の除去は、成長や栄養に影響することがあります。食物アレルギーの関与が疑われる場合に限って、検査と診断に基づき食事指導を行います。
生活習慣
ダニやほこり、花粉などの環境アレルゲンや、汗・摩擦などの刺激で症状が悪化することがあります。皮膚を清潔に保ち、保湿を継続することが基本です。衣類や生活環境を整え、無理のない範囲で刺激を減らす工夫が必要です。
ストレス
強いかゆみや見た目の変化は、心身の負担につながることや、ストレスが症状の悪化を招く場合もあります。不安や治療への疑問を抱え込まず、気になることがありましたら遠慮なくご相談ください。継続できる管理を一緒に考えます。
合併症
アトピー性皮膚炎による皮膚のバリア機能が低下すると、感染症を起こしやすくなります。また、顔への症状が強い場合は、目の合併症に注意が必要です。日常のスキンケアを丁寧に行い、異変に気づいたら早めに受診することが大切です。
よくあるご質問
アトピー性皮膚炎は自然に治りますか?
年齢とともに症状が軽くなるかたもいますが、全てが自然に治るわけではありません。大切なのは、症状が落ち着いている時期も含めて適切なスキンケアと治療を続けることです。早い段階から皮膚の状態を整えることで、悪化や再発を防ぎやすくなります。
ステロイドの塗り薬は使い続けても大丈夫ですか?
医師の指示に沿って適切な量と期間で使用すれば、安全性が確認されている治療薬です。自己判断で中止したり、必要量より少なく使用したりすると、かえって悪化を招くことがあります。不安がある場合は、遠慮なくご相談ください。
食事制限は必要ですか?
アトピー性皮膚炎があるからといって、必ずしも食事制限が必要とは限りません。食物アレルギーの関与が明らかな場合にのみ、医師の判断のもとで対応します。自己判断で除去を行うと、成長や栄養面に影響することもあるため注意が必要です。