大人はナッツをよく食べるようになったのに、赤ちゃんにはナッツを遅く食べさせる文化が残っていました。皮膚の弱い赤ちゃんが増えたことも重なり、“触れるのに食べない”という状況が、ナッツアレルギーを生みやすい環境になっていたのではないかと私は考えています。
さらに、「不用意に赤ちゃんにナッツ類を与えられてもトラブルにつながりかねないので困る」という事情もあり、医師たちは本音を語ってきませんでした。そもそも、ナッツ類を早期に摂取したほうがよいというエビデンスも乏しく、慎重にならざるを得なかったのです。しかし医療というのは、いつもこうした“後手後手”の歴史を繰り返してきました。その結果、パラダイムシフトが起きても、患者さんがその恩恵を受けるまでに数十年の遅れが生じてしまうのです。